第19回 香港ビジネス懇話会

『エアライン・ロジスティクス』

開催日:2010年9月28日(火)15:00−17:00
所属名:ビジネス交流委員会
場 所:HSBC本社 大会議室
講 師:ANAロジスティクサービス株式会社 国際事業開発プロジェクト シニアアドバイザー 
本田 茂樹氏

日本香港協会(東京)では、去る9月28日、日本橋のHSBC本社大会議室に於いて、本年3回目となる第19回香港ビジネス懇話会を開催しました。今回は当協会の理事でもある本田茂樹氏より、ますます多様化するアジアの物流やANAの航空輸送戦略等について、専門家の立場から貴重なお話をお聞きしました。

本田茂樹氏プロフィール
1949年東京生まれ。
全日本空輸株式会社(ANA)本社旅客、羽田空港旅客を経て、日本貨物航空株式会社(NCA)創設メンバーとして営業、運送系システム開発、教育担当。
香港キャセイ航空国際貨物研修。運航本部乗員技量、訓練教材担当、名古屋(小牧)空港保税蔵置場運営責任者、航空会社運営協議会(AOC)CARGO SUB−COMMITTEE(CSC)委員長、名古屋空港保税上屋運営委員会委員長を歴任。2001年末ANA95%資本のロジスティク会社、ANAロジスティクサービスの設立に参画し、成田空港カスタマーサービス部長、国際事業開発準備室長を経て、現在同社国際事業開発プロジェクト・シニアアドバイザー。日本香港協会理事。      

講演の概要
1.ANAグループについて
・日本にとって2010年は航空100年
 現在は自家用機の時代になっており、中国では30万人が所有している
・ANAグループ理念
 ANAグループは、「安心」と「信頼」を基礎に、価値ある時間と空間を創造し、いつも身 近な存在であり続け、世界の人々に「夢」と「感動」を届けることをコミットしている
・ANAの概要
 資本金:2,314億円、自己資本率:25.5%、グループ会社数:172社、グループ従業員数:
 32,460人、連結売上:12,283億円、グループ機材数(リース機込み):210機
・トリプル7計画
 国内、海外、貨物それぞれで7,000億円の売上達成を目標としている
2.ANAロジスティクサービス
・会社概要
 株主:全日本空輸95%・国際空港上屋5%、設立:2001年11月、資本金:4億6,500万円、従業員数:614名
・主な事業
 空港ハンドリング、フォワーデイング、ロジスティク事業
 沖縄ハブ、成田、羽田通関を機軸としたドアサービス(上屋サービス、配送、通関)
・ANAグループとしてのミッションの連携
 観光、文化発信、食の物流
3.進化するアジア域内経済活動
・日本の貿易・投資相手国が欧米中心からアジア地域にシフトしている
・東アジアにおける各国間の経済連携の活発化
4.世界の航空業界の動向
・企業間の競争からアライアンス間の競争へ
・航空連合(スターアライアンス、スカイチーム、ワンワールド)の変遷
 旅客と貨物では提携チームが違う
・世界各地での航空自由化の進展
・アジア各国の空港整備状況
 アジアでは大規模なハブ空港の建設が進み、日本は遅れをとっている
5.ANAグループの航空運送事業戦略(貨物事業)
・既存事業の拡大と新規事業領域への進出
・沖縄貨物ハブ構想(2009年〜)
 地理的優位性を生かしたアジア域内貨物需要の獲得(アジア主要都市から4時間)
 24時間運用による競争力
・エクスプレス(一貫輸送)事業への進出
 フレイターネットワークの拡大とエクスプレス事業の具現化による利益貢献
6.航空マーケット・ニーズ
・FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の進展による自由化の拡大
・特殊輸送の付加価値サービス
 生鮮食品、半導体製造装置、危険物、温度管理貨物、高級アパレル、メディカル等
・「もの」から「こと」(ストーリー性)への発信
 文化、観光、コンテンツとの円環
・アジアにおける日本商品、日本食への人気
・通販、ネットショッピングの急速な拡大
・ブランド戦略
 流通・加工・小売などの「川下」との関係性の強化
                 以上

原田理事長の挨拶

講演中の本田講師1

HSBCの大画面スクリーン

講演中の本田講師2

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